The story of The Trevi Fountain · 1 min · 日本語

トレヴィの泉:永遠の都に流れるバロックの叙事詩

A narrated story about The Trevi Fountain — press play, or read it below.

Avsha narrates a story about wherever you are — any street, in your language. Free to start, no account.

The story

ローマの迷宮のような細い路地を歩いていると、どこからか絶え間ない水の音が聞こえてくるはずです。その音に導かれ、角を曲がった瞬間に視界がひらけ、目の前に白く輝く巨大な舞台装置のような光景が飛び込んできます。それこそが、ここ、世界で最も有名な噴水、トレヴィの泉です。

まずは、この圧倒的なスケールを肌で感じてみてください。噴水の背後にそびえ立つのはポリ宮殿の壁面で、まるで建物そのものが泉から生えてきたかのような一体感があります。中央で堂々と立ちつくしているのは、ギリシャ神話の海の神オーケアノス。

よくネプチューンと間違えられますが、彼が従えている二頭の海馬に注目してください。一頭は荒々しく暴れ、もう一頭は穏やかに進んでいます。これは、刻一刻と表情を変える海の二面性を象徴しているのです。

この泉の歴史は、単なる美しさを超えた深い物語を持っています。ここは紀元前19年、アウグストゥス帝の時代に造られた古代の水道「アクア・ビルゴ」、つまり「乙女の水道」の終着点なのです。右側の壁にあるレリーフには、喉が渇いた兵士たちに少女が湧き水の場所を教える伝説の場面が刻まれています。

18世紀、建築家ニコラ・サルヴィがこの古代の遺産を壮麗なバロック様式の傑作へと変貌させました。 ここで、地元の人々が語り継ぐ面白いエピソードをご紹介しましょう。噴水の向かって右端、縁の上に置かれた大きな水瓶のような彫刻が見えますか。

これは「アッソ・ディ・コッペ(カップのエース)」と呼ばれています。建設当時、工事に対してしつこく文句を言っていた床屋が近くにいました。芸術家サルヴィは、その床屋の店から泉の全景が一切見えないように、わざとこの巨大な石の飾りを配置したと言われています。

芸術家のちょっとした意地悪な復讐劇ですね。 そして、ここを訪れたなら欠かせない儀式があります。噴水に背を向け、右手にコインを持って、左の肩越しに池へと投げ入れてみてください。

一枚投げれば、いつか必ず再びローマに戻って来られると言われています。二枚なら愛する人と出会い、三枚ならその人と結婚できるという伝説もあります。 今、あなたの目の前で流れるこの水は、二千年前から変わらずローマの喉を潤し続けてきました。

大理石の白さが水の青さと溶け合うこの場所で、ローマという街が持つ「永遠」という名の魔法を、心ゆくまで感じてみてください。

This story in other languages