The story of Reception is inside HAGISO, a 1955 wooden apartment · 1 min · 日本語

谷中の記憶を紡ぐ場所、HAGISOと街まるごとホテルの物語

A narrated story about Reception is inside HAGISO, a 1955 wooden apartment — press play, or read it below.

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The story

こんにちは。東京の下町情緒が色濃く残る谷中の路地裏へようこそ。今、皆さんの目の前にあるこの趣のある木造建築が「HAGISO」です。

黒い板張りの外壁と、どこか懐かしい佇まい。一見すると、静かな住宅街に溶け込む古いアパートのように見えるかもしれません。しかし、ここはかつて取り壊しの危機に瀕しながらも、地域の人々の情熱によって奇跡的に守られ、生まれ変わったこの街のシンボルなのです。

時計の針を1955年に戻してみましょう。この建物はもともと「萩荘」という名の木造アパートとして建てられました。長年、東京藝術大学の学生たちが集い、共に暮らし、夢を語り合う「梁山泊」のような場所として、半世紀以上の時を刻んできたのです。

しかし、2011年の東日本大震災をきっかけに、建物の老朽化が問題となり、一度は取り壊しが決定してしまいました。 そこで立ち上がったのが、かつてここに住んでいた若き建築家や、この風景を愛する近隣の人々でした。彼らは、ただ古いものを壊して新しいビルを建てるのではなく、この場所が持つ記憶と温もりを次世代に繋げたいと考えたのです。

葬儀の代わりに行われた「ハギエンナーレ」というアートイベントには多くの人が訪れ、その熱意が建物の解体を食い止めました。そして2013年、HAGISOは「最小文化複合施設」として、新しい命を吹き込まれたのです。 現在、この1階にあるカフェの奥には「hanare」というホテルのレセプションがあります。

このホテルには、あるユニークなコンセプトがあります。それは、「街全体を一つのホテル」と見なすこと。ここHAGISOがホテルのロビーであり、皆さんがお湯に浸かるのは街の銭湯、朝食を食べるのは近所の定食屋、そしてお土産を買うのは、すぐ近くの「谷中銀座商店街」です。

チェックインを済ませたら、ぜひそのまま谷中銀座の方へ歩いてみてください。有名な「夕焼けだんだん」の階段に座り、沈みゆく夕日を眺めながら、この街の呼吸を感じてみてください。揚げたての惣菜の匂いや、路地を横切る猫の姿。

HAGISOが守られたことで、この街の風景の断片が今もこうして繋がっています。 古い木造アパートが、街の玄関口へと生まれ変わった物語。この建物の軋む床の音や、窓から差し込む柔らかな光の中に、谷中の人々が大切にしてきた「共生」の精神が宿っています。

さあ、鍵を受け取って、この魅力あふれる街の住人になる旅を始めましょう。

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