The story of Kaikaro teahouse, Kanazawa, Japan · 1 min · 日本語

金沢・ひがし茶屋街の至宝、懐華樓:二百年の時を刻む朱と金の美学

A narrated story about Kaikaro teahouse, Kanazawa, Japan — press play, or read it below.

Avsha narrates a story about wherever you are — any street, in your language. Free to start, no account.

The story

ようこそ、金沢で最も格式高い「ひがし茶屋街」へ。今、あなたの目の前に堂々と佇んでいる大きな建物が、今回ご紹介する「懐華樓」です。築二百年を超えるこの建物は、金沢に現存する茶屋建築の中でも最大規模を誇り、市の指定保存建物にもなっています。

まずはその外観を眺めてみてください。一階にある細かな格子の窓は「木虫籠」と呼ばれ、中からは外が見えるのに、外からは中の様子が伺えないようになっています。これは、かつてのお座敷という密やかな社交の場を守るための、繊細な知恵の形です。

重厚な玄関をくぐり、中へ一歩足を踏み入れると、そこには江戸時代の華やかな空気がそのまま息づいています。まず目を引くのは、鮮やかな「ベンガラ色」の壁です。この深い赤色は、夜の灯りの下で女性の肌を最も美しく見せ、宴の席を艶やかに彩るために選ばれました。

ギシリと鳴る階段を上がり、二階の客間へ進むと、そこにはかつての旦那衆たちが芸妓さんの舞を楽しみ、粋を競い合った空間が広がっています。 そして、懐華樓の象徴とも言えるのが「黄金の畳の茶室」です。金沢は日本の金箔生産の九十九パーセント以上を占める街。

その伝統技術を惜しみなく注ぎ込んだこの部屋は、畳の一枚一枚にまで金箔が敷き詰められ、鈍く、しかし力強い光を放っています。それは単なる贅沢ではなく、金沢の工芸に対する誇りの象徴でもあるのです。 お茶屋の世界には、紹介のない客を拒む「一見さんお断り」という厳しい伝統が今も残っています。

しかし、ここ懐華樓は、昼の時間にこうして私たちに門戸を開き、その奥深い文化に触れさせてくれます。中庭から差し込む柔らかな光、静寂の中に響く三味線の音色の幻。かつての賑わいに思いを馳せながら、ゆっくりとこの空間を味わってください。

見学を終えたら、一階の囲炉裏があるカフェで、金箔をあしらったお抹茶をいただくのも良いでしょう。この建物が歩んできた二百年の歴史が、あなたの旅に深い彩りを添えてくれるはずです。金沢の粋と雅が凝縮されたこの場所で、どうぞ特別なひとときをお過ごしください。

This story in other languages