The story of Gango-ji Temple, Nara, Japan · 1 min · 日本語

1300年の時を刻む屋根、ならまちの古刹・元興寺を歩く

A narrated story about Gango-ji Temple, Nara, Japan — press play, or read it below.

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The story

皆さん、こんにちは。ツアーガイドのアーヴシャです。今日は、奈良の古い街並みが残る「ならまち」の心臓部にひっそりと、しかし確かな存在感を放って佇む、元興寺をご案内します。

かつて平城京の広大な面積を占めていたこの寺は、今では街の風景に溶け込み、訪れる人々を優しく包み込んでいます。 まず、門をくぐって境内に入ったら、少し立ち止まって本堂と禅室の屋根を見上げてみてください。赤茶色や、くすんだ灰色、さまざまな色が混ざり合った瓦が、まるで魚の鱗のように重なり合っているのが分かりますか。

これは「行基葺き」と呼ばれる非常に古い形式です。驚くべきことに、この瓦の一部は1300年以上前、飛鳥時代のものが今もそのまま使われています。日本最古の本格的寺院である飛鳥寺がこの地に移転してきた当時の瓦が、今もなお現役で雨風を凌いでいる。

その事実を思うだけで、指先から歴史の重みが伝わってくるような気がしませんか。 国宝に指定されている極楽坊の本堂へと歩みを進めましょう。かつてここは僧侶たちが修行し、生活していた場所でした。

一歩足を踏み入れれば、外の喧騒が嘘のように遠のき、静寂が広がります。ここでは、かつて浄土への往生を願った人々の祈りが、木造建築の温もりとともに静かに息づいています。 さらに境内の奥へと進むと、そこには「浮図田」と呼ばれる場所が広がっています。

整然と、しかしどこかユーモラスな表情を浮かべる、二千五百体を超える無数の石仏や石塔。それらが並ぶ光景は、亡き人々を想う数えきれないほどの願いの集積です。季節によっては石仏の合間に萩の花が咲き乱れ、風に揺れる様はこの世のものとは思えないほど美しいものです。

そして、元興寺を語る上で欠かせないのが、伝説の鬼「ガゴゼ」の物語です。かつてこの寺に現れ、人々を震え上がらせたという恐ろしい鬼ですが、実は本堂の屋根裏に住んでいたとも言われています。今ではその姿を象った小さなお守りが、魔除けとして地元の人々に愛されているんですよ。

東大寺や興福寺の華やかさとは対照的に、元興寺には、長い年月をかけて街に馴染んできた「暮らしの中の祈り」があります。足元の砂利を踏みしめる音、古い木材の香り、そして何世紀も変わらぬ空の色。それらすべてを五感で感じながら、悠久の時を旅してみてください。

それでは、引き続き、この静かなならまちの散策をゆっくりとお楽しみください。

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